国際学会で萌えキャラプレゼンしてスタンディングオベーションになった話

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今月(2016/10)の9日から11日は、オランダのマーストリヒトで重要な学会があったので、そこに行って発表してきました( 学会の趣旨とかはこちらのエントリー⇒ http://animescience.net/?p=1370 )。

普通に真面目な学会なのですが、そこで萌えキャラ交じりのプレゼンしたらスタンディングオベーションもらうという、反応は上々とは言えなんともネタっぽいことなったのでその詳細です。

まず、ほかの登壇者のプレゼンの1枚目です:

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cmc2

 

cmc3

 

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真面目です。クソ真面目です。特にドイツ人やオランダ人の発表はジョークの一つも無し、コッチコチでした。

そしてうちのプレゼンの1枚目:
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(いきなり萌えキャラ。”Oh, MANGA!” )

聴衆は70人ぐらい、一枚目から”Wow…”、とかクスクス笑い(想定通り)
そして発表が終わったらスタンディングオベーション(想定外)

帰国後に行った省察会では、スライドごとの反応や国際学会での発表でウケるにはどうするのか、的なことに興味がある人が多かったので、ここで出すことにしました。

 

========当日のプレゼンの流れ============================

前の人発表終了、PC持って演壇へ、プロジェクターにつなぐとスクリーンに大映しに:

(1枚目)
culturedmeatconf
スライド出したら”Wow…”とか、「クスクス」とか

プレゼン開始ということで、あいさつ&前座:
「うちはBiohackerでCitizen Scienceなんで、プロフェッショナルに固く構えても意味ないです。リラックスしてください。」
(原文: We are biohackers, or citizen science. Being professional and rigid here doesn’t help, so please feel relaxed!)」

と始めたらウケた。とにかく、他の発表とは異なる毛色の発表が始まるぞ、ということは明確に示せた。

(2枚目)
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「私たちは色々な事やってますが、今回はサイエンスについて話をします!」と言って、発表タイトル復唱

とりあえずは自然にみんな聴講モードに

(3枚目)
自己紹介スライド:
「筋肉細胞を培養して料理して食べてみて、その食レポを同人誌にしてコミケで頒布しました」

爆笑

2枚目で真面目モードになったと思ったら3枚目でまたネタという変化球、「ウケ狙い」の定番技法
※「コミケで純肉(人工培養肉)の食レポ本出した話はこちら⇒ http://animescience.net/?p=203

(4枚目)
どうやって実験して、どうやって研究資金を稼いでいるかの紹介:
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実家の風呂場でバイオ実験して父親が困惑してた話、試薬ビンを家の冷蔵庫に入れて母親が苦い顔した話、この辺りはウケた

発表後にとある財団から研究支援の申し出。草の根的に後ろ盾無しのゼロからのスタート、という姿が刺さったらしい。

(5枚目~20枚目)
研究背景説明から入って普通に研究発表:
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この間、著名ジャーナリストがスライドの写真を流したり、この分野で一番影響力のある団体の代表が研究方針と内容について、団体の公式な意見として賛意をツイートしてくれたり、色々ありがたい流れ

cbc1 cbc2

(21枚目)
まとめ:
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・培養液を安く作れそうです。
・でも試作した格安培養液は、単体では力不足です。
・そこで、格安培養液が力を発揮できるようになるシステムを開発しました。

と普通に結言を並べた後に、最後に:

「でも一番強調したいのは、大学でも企業でもない、草の根バイオハッカーも食肉培養の研究に挑めるということです!」
(原文:but what I would like to emphasize the most is, that biohackers can take on cultured meat independent of universities or corporations!)

culturedmeatconf-3

⇒スタンディングオベーションに

 

・・・という発表で、この分野の海外の各団体やベンチャーに対して、うちは企業でも大学でもない、「フォーマル」や「形式」とは対極にある「草の根Citizen Scienceである」というメッセージは十分に伝わりました。かくして萌えキャラで始まり萌えキャラで終わったプレゼンはスタンディングオベーションで締まりました。

「萌えキャラプレゼン」で注意を引いた後、場外で人を選んで事業計画などビジネス的な別のプレゼン発表をしました。するとその場でとあるベンチャーとの共同研究取引の話になりました。金額は言えない(というか未定)ですが、今のうちみたいな立ち上げほやほやのベンチャーには非常にありがたい額です。

 

 

====「人となり晒しでアイスブレーキング」===========

ちなみに学会期間中こんなものをぶら下げてました(ぉぃ

cvdsgsdvmaafdot

学会に参加していたヨーロッパ人から見れば、自分は日本とかいう全く違う文化圏と価値観の世界から来た人間で、デフォルトでは警戒されます。でもこの「警戒」について、中身は「変な事されるのではないか」という防衛本能ではなく、「(相手の文化を知らずに)変なことして気分を害しちゃったらどうしよう(´・ω・`)」という、自身に対する「恐怖」です。一番つらいのは向こうなんです。

これを解消する一番良い方法は、自分は何が好きなのか、人となりを晒すことだと思います。そこへ来るとコミケの戦利品のオタグッズは非常に有効でした。

「あ、この人はANIMEが好きなのか。じゃぱにーずだしなwwww」

サッカーが趣味な人はサッカーグッズいっぱいぶら下げて行くといいと思います。
ゲームな人、音楽な人、他いろんなジャンルの人も同じです。

相手の趣味や人となりが少しでも分かれば、「気分を害しても取り繕えそうだ。なんとかなる(`・ω・´)b」という安心感が勝ち、会話するハードルが一気に下がるのだと思います。