「ヲタ活」として「将来の知日派」について講演してきた

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10/23(日)は「オタク活動 in 海外・情報交換&交流会 5」という集まりで講演してきました。場所はアキバ、その後そのままOFF会というヲタ充な日、オタク活動たのしいよ!(゜∀゜)(゜∀゜)(゜∀゜)

「くーるじゃぱん」だのは差し置いて、とにかく海外のOTAKUたちの熱さからは色々元気をもらえます。しかも向こうからの歩み寄りもあって、ヲタ界隈では世界進出のハードルがめちゃめちゃ下がってるし、アニメオタク、ゲーマー、踊り手、歌い手、絵師、同人作家、レイヤー、みんなれっつグローバルデビューヽ(・∀・)ノヽ(・∀・)ノ

 

最大のポイントは、部屋から一歩も出なくても世界進出できることです。(最重要)

そんな話や「OTAKUエリート」の本で書いたこと、最近のネットミームの定量評価やオルタナ右翼の話などを追加して発表しました。スライドはこれで、講演の流れはざっとこんなでした。

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将来の知日派はOTAKUの中から出てくる
◆自己紹介と体験談:OxfordでもOTAKUに出会った話。
◆しかもOTAKUって人たちは日本のハイカルチャーも知ってるし、ガチで知日派になるんじゃね?⇒「海外ヲタ事情全般や、オックスフォードでの様 子から見えてくる、新たな知日派としての OTAKUの姿に迫る!!」
◆一般論。JapanExpoみたいなイベントは盛況もDVDは売れず。というかボカロ・東方・同人のような非商用コンテンツが盛況。
◆こんな現象を引き起こすOTAKUたち、実はけっこう教育・経済水準高いんじゃ…?⇒やっぱりそうでした。
◆OTAKUたちは知日派となり、何らかの形で将来の日本に必ず関わってくるはずだけど、その頭の中はどうなってる? 彼らにとって「アキバカルチャー」って何?

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海外のアキバカルチャーの歴史と背景
◆文化論のおさらい。「コンテンツ」と「文化」の違いや、ハイカルチャー・ポップカルチャー・カウンターカルチャーの位置づけ
◆OTAKUたちにとってアキバカルチャーはすべてインターネット経由で届いている。なので彼らにとっての「アキバカルチャー」を知るにはネットの文化、「サイバーカルチャー」を知る必要がある。
◆ヒッピー文化から「仲間意識」・「内輪ノリ」・「カウンターカルチャー」を軸とするサイバーカルチャーが生まれた。
◆ANIMEファンは1980年代からサイバーカルチャーと一心同体。そのスタンスは今も基本的に変わっておらず、その影響は数字としても出てくる

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そんな世界のアキバカルチャーの背景に立脚しての、今起きている様々な現象の説明
◆世界のアキバカルチャーはカウンターカルチャー性が強い:アノニマス、オルタナ右翼
◆アキバカルチャーは日本抜きでも広まる
◆アキバカルチャーは日本コンテンツじゃなくてもよい
◆アキバカルチャーじゃないコンテンツも取り込んで広がる。

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まとめ
◆アニメ、コミック、同人文化から発展した、いわゆるオタク文化(国内のアキバカルチャー)と違い、海外版アキバカルチャーは「サイバーカルチャー」の側に主導権がある。
◆OTAKU上がりの未来の知日派が持っている「アキバカルチャー」とは、この右側のサイバーカルチャー主導の「グローバル・アキバカルチャー」とでもいうもの!

以前別の場所で発表したときもそうでしたが、このスライドが「一番人気」でした。

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あと発表よりも質問タイムの方が盛り上がってたかも。

Q. エロゲを海外リリースしているんだけど、Steamで揉めてたら英語圏のエロゲコミュニティーから呼ばれてそっちでリリースすることになった。でも、ネイティブに頼んでるのに英訳がダメと言われます。
A. ただ英訳するだけじゃダメかと。「お姉さま」の正しい訳は”big sister”ではなく”onee-sama”だったり、Otaku English”に訳さないといけない。

Q. 結局どうすれば売り上げにつながる?
A. 結局OTAKUたちはDVDや本が欲しいんじゃなくて、アキバカルチャーという文化体験が欲しいわけで、その意味でもイベントやグッズは有望だと思います。
⇒JapanExpoの中の人激しく同意。でも日本の版権元はともかく、現地の流通・販売者もサイバーカルチャーと向き合えてない。

Q. コミケとかで来日するOTAKUはどう相手すればいいの?コミケは16:00で終了するしその後は?
A. 普通の観光客と同じ。ただし「聖地巡礼」を差し置いても、普通の観光客と目的地や見るものが違うことに注意。普通の住宅街や商店街など、「アニメの景色」が彼らにとっての観光の目的地になる。あと、異常に金持ちなOTAKUも多いことは注目したほうがいい。Bilibiliのチームもとてつもなくお金持ってる。

Q. JapanExpoにて、運営のフランス人に「OTAKUは単なるANIME好きじゃなくて、もっと根っこでドロドロしたこだわりを持った人のことではないのか?」と聞いたら全然わかってもらえなかった。
A. 運営も含めて現在の来場者は圧倒的多数がネット以降にANIMEの世界に入った人たちだろうから、旧来の意味でのオタクとはソリが結構違い、共有されないのも理解できる。その辺はさっき誰かが質問したエロゲコミュニティーの人なら共有されるかも。
⇒Japan ExpoやAnime Expoに昔からいた人たちの間でも、最近の来場者は(かっこいいから)OTAKUのフリをしたいだけの(まったく生ぬるい)人ばかりだという話がある。

Q. 外国人は(萌え)イラストは描けても漫画までは描けない。そうなると同人誌文化は海外では根付かないのか?
A. こういうスキルは「人づて」が必須で、海外では人づてで漫画描きを学べる環境がない。一方でヲタ芸は「人づて」が出来たからこそ流行ってる。
⇒JapanExpoの運営をやったことある人の話によると、同人誌や漫画を自分で描きたいOTAKUは世界中に大勢いるが、描き方を学ぶチャンネルがない。そのためイベントで「MANGAの描き方講座」をやると、枠が即埋まるとのこと。

 

あと最後に、いちおう本の広告。「ダイレクトマーケティング」です。

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