インディー・バイオベンチャー(1)

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人工培養肉プロジェクト“Shojinmeat”は、大学や企業の後ろ盾無しで始まってます。将来はともかく、現時点では後ろ盾はありません。

でも大学や企業の後ろ盾無しの「インディーズ」の立場で、「バイオテクノロジーで世界を変えてやるぜ!」と起業することはできるんでしょうか?

ここでは、実際に”Shojinmeat Project”でそれをやって感じたことを流そうと思います。まだ成功したわけでも何でもないので、どこまで参考になるか保証できません。判断は各自に任せますorz

 

「インディー・バイオベンチャー」、正直言って難しいです。

でも不可能ではなくなったし、難易度は中長期的に下がり調子です。そして何よりも、何をすれば良いのかがはっきりし始めています。つまり、既存の大学や企業の枠組みの外で起業して、「バイオテクノロジーで世界を変える」を実現する道筋が、現実に見え始めています。その先駆者として、ユーグレナなんて例もあります!

スティーブジョブスやビルゲイツが子供の頃は、電子工学や情報工学は国立研究所や巨大企業のものでした。ところが彼らが成人した頃、それが個人でも手を出せるレベルになりました。そこで彼らは自宅のガレージで起業したわけです。

そして同じことが、いま化学やバイオの世界で起きています。

この辺見るといろいろ出ていますが( http://biohacker.jp/ )、「自宅でのバイオ研究に最適なオールインワン遺伝子分析装置Bento_Lab」が約12万円、PCR装置が4万円、遺伝子組み換え実験ができるキット”GlowGene”が200ドル、なんてものが出てます。

自宅でゲノム編集(CRISPR-Cas9)なんて話もあります。この辺のガジェットはクラウドファンディングのKickstarterから生まれていたり、草の根的に起きています。こういう動きが米国を中心に起きており、BiohackとかDIY bioと呼ばれてます。

 

ここで、バイオベンチャーって何なのか振り返ってみます。単純に言葉の意味からいえばこうです。

バイオベンチャー(※和製英語)  :
バイオテクノロジーによる新しく高度な知識・技術を応用して、新薬や新しい治療技術の研究開発に従事する中小企業。

でも実際はどうでしょうか。大学の先生が設立する?白くてハイテクな職場?儲かるまで10年?ハイリスクハイリターン?

どれも当たらずしも遠からずです。バイオインダストリー協会が出してる統計の「中央値」からは、研究開発要員3名・年商1億弱・研究開発費1000万円、というバイオベンチャーの典型的な姿が見えてきます。そして大学・研究所・親会社で開発された技術をもとに創業する例、いわゆる「スピンオフ」が半数以上を占めていることも分かります。

biovbiov2
http://www.jba.or.jp/pc/activitie/open_innovation/info/001177.html

バイオベンチャーではよく、「どこどこ大学のナントカ先生の技術をもとに~」という話を聞きます。あれ、実は王道なんです。

でもその一方で、バイオベンチャーの創業のためには、まず大学教授か研究者として成功しないといけないという、なんだかポイントが外れた場所で門が狭くなっていたわけです。

 

しかしここへきて、DIY bioやBiohackの流れが来ました。うちの”Shojinmeat Project”も、大学や企業の後ろ盾無しに始めて、細胞培養液を自宅の風呂場で作ってみたり、BiohackやDIY Bioのやり方でやってます。

だってお金的にそれしか出来ないんだYO!ヽ(`Д´)ノ

 

一般的に「インディー・バイオベンチャー」は何をすべきなのか、その強みと弱みは何なのか、海外勢含めて仲間は誰で今どこで何をしているのか、”Shojinmeat Project”としてはどう立ち回るべきかなど、ここで色々ぶちまけながら考えようと思います。

ただ、現時点でこれだけは言えると思います。
流れ来てるし、今始めれば、流れを作る側として先陣を切れます!

(本音: 「インディー・バイオベンチャー」の仲間が欲しいです。割と切実にorz )